暖春、青春放課後

 映画「暖春」をみていたら、2013年に掘り出されたという1963年の小津安二郎脚本のドラマ「青春放課後」とそっくり。調べてみたら「青春放課後」のあと、映画化されたものらしかった。

「暖春」の方は、最後主人公の女性が結婚するところまで描いていたが、「青春放課後」の方は、その前の登場するおじさん二人の酒場でのつぶやきで終わっていて、おじさんたちも主人公同様に青春放課後(の深い時間)を過ごしているんだよというようなしめくくり方、おじさんが主人公という感じもあった。(「青春放課後」では小林千登勢が演じた主人公を「暖春」では岩下志麻。華やかにはなっているが、「青春~」は「青春~」で控え目にまとまっていてよいような気がする。)

二つの出来をみていて、私は「青春放課後」に軍配をあげるかな・・「暖春」で付け足された結婚のシーンも森光子演じる母親は盛大に泣かせるのでなくそこは抑えてもよかったのではないかな・・また主人公の父親に関する説明もすっきりするといえばすっきりするけれど説明ないのも粋かなという感じでもあった。

「暖春」の方で京大出身のおじさまたちが「紅萌ゆる丘の花」という旧制三高の寮歌を歌うのはほんとに京大周辺で聞き慣れていたのでとても嬉しくなった。

あと「暖春」のほうは、「青春〜」の方で一人の東京の友人が二人になっていて、追加されている倍賞千恵子が蓮っ葉系で珍しい感じがした。


 wikipedia青春放課後

暖春 [VHS]

暖春 [VHS]

  • 発売日: 1984/05/19
  • メディア: VHS