鍵 [VHS]

鍵 [VHS]

 

市川崑の方の「鍵」は以前みていたが、あちらはオーソドックスな暗さがじんわりしていた印象で。。こちら、神代監督版はおかしみが強調されテンポがよくとても楽しめた。*1観世栄夫演じる教授の中の情念がわきたつ時の浄瑠璃の音の合わせかたが面白くて。神代監督作品は「青春の蹉跌」の斎太郎節みたいに音の付け方がほんと面白い。74年らしいサイケぽい画面や娘渡辺督子のメイクも楽しい。撮影は姫田真佐久。京都が舞台になっていて、三条京阪の歩道橋、四条大橋や路面を走る京阪などが画面に生きているのがとても懐かしい。教授の家は小川に囲まれ上賀茂の社家のあたりのようにみえるし、少し映る大学は京大かな?(京大近く関田町に別宅があるようなフレーズも。)観世栄夫が能の振り付けのような動きをするところもあるし、少しだけ出てくるお医者さんは加藤嘉、いろいろと楽しめた。

*1:観た当時の感想を読んでいると市川版にもおかしみをかなり感じていたようだが、こちらとくらべるとまだまだオーソドックスだったなあ