連続入江悠

入江悠監督のものを立て続けにみた。ひとつは、「ビジランテ」、もうひとつは「SR サイタマノラッパー」。
SR サイタマノラッパー」は「マイクの細道」という少し前にしていたテレビ番組のみみていたのだが、シリーズ最初の映画がアマゾンプライムに出ていたのでみてみた。
ビジランテ」はこどもを暴力で統制してきた市会議員の父と三人の子の物語。
先に「ビジランテ」をみて、「サイタマノラッパー」なほうをみたら、「サイタマノラッパー」は命に関わるような事態はおきてないから気楽なんたけど、主人公たちの置かれてた窮状が、くどくどしい説明なしにリアルに感じられるところ、閉塞感のなかでどうにかしていこうという登場人物たちは共通。また退屈させることなくみせる編集なども巧みだと感じた。
「サイタマノラッパー」、すぐあきらめる仲間、トムが自分のようでいつも共感する。イケてない状況のなかで太陽を求めているような主人公の姿に心が動かされる。ふってわいたお役所との集いのシーン秀逸。
ビジランテ」は登場人物たちが一応社会人。ラッパーみたいに、かわいらしいなあといってられないような、過剰防衛社会の問題も風景として描かれている。
二作品とも入り込みやすい映画運び。(「ビジランテ」はしょっぱなしんどいところからはじまるが、そこを越えたらどんどん引っ張っていかれる。ラッパーより間口を広げている感じがする。)さらっとなのにちゃんと伝わる、みているものの周りでも起きているいやなこと、その辺の伝え方もうまい。ただディストピアを描いて、みているものをしんどい気持ちにさせて終わりじゃないところがとても好き。他作品もみていきたい。

SR サイタマノラッパー

SR サイタマノラッパー

ビジランテ [DVD]

ビジランテ [DVD]