動物園日記

羽仁進監督。岩波映画名作選。
まず驚いたのが、アフリカでキリンがとらえられるところからこの映画がはじまるところ。動物園でずいぶん長い時間かけて取材し映画にまとめているのだけど、動物は基本無理やり連れてこられ、ここでの献身的な飼育はとりあえず次善の策という感じにみえてしまう。(別にがんがんそんなことを口にするわけではないのだけれど、映画の言葉の端々からそれを感じてしまう。)
1957年のこの作品、多摩動物公園の予定地が映るが、まだ本当に草っぱらだ。そして仕事をしている人たちのまじめなこと。半笑いの人なんか一人もいない。
飼育係に育てられたかわいいライオンの子タロウが、違うところに連れていかれる時(確か中国?)勝手にとてもさびしい気持ちになってしまったが、そんなときにもこの先のことなんかわけもわからず生きているところが動物の姿にうたれるところだと思う。

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今年、大阪シネ・ヌーヴォーで羽仁進の特集が組まれた時の解説はこちら