シネ・ヌーヴォで「ザ・ハリウッド」

大阪 九条のシネ・ヌーヴォ野村惠一監督の没後10年の特集。

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その中でも1997年の「ザ・ハリウッド」は、今通っている旧作ビデオ店 ふや町映画タウンのオーナー大森さんとも、また伊勢の進富座のオーナーとも関わりのある映画ときいていて、以前観たのはそれらの場所にちゃんと出会う前*1だったもので確認の意味で大阪まで出かけた。

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行きかう人への「あなたにとって大事な映画ってなに?」という問いかけと共に、映画と並走する人生、元気づけられ、人生行路に影響まで与える映画の話が出てくるのだけど、観てみて、ふや町映画タウンのおすすめのものが多数登場していて驚く。野村監督は、大森氏がふや町映画タウンを作る前にアルバイトしていたビデオ店で、名画の棚をがんばって作り、店がなくなる時には自ら研究して集めたその在庫を引き継いだ姿をしっかりみておられたそうで、まさにその話がベースになっており、大森氏所蔵のビデオの一部も映画の中で登場する。

私とふや町映画タウンの出会いは、大量にビデオリリースされているようなものでなく、ミニシアター系の珍しいものをなんとかして観てみたいという気持ちからだったけれど、大森氏や多分進富座のオーナーにもあるであろう、珍品を集めるのがいいのでなく、人生に力を与えてくれる名画を届けることをしたいのだという気持ちが映画からダイレクトに伝わってきた。

前回観た時よりは私も映画の鑑賞本数が増えて、登場人物が語るアラカンさんの「危し!伊達六十二万石」*2のことも骨格をなすオーナーと「フィールド・オブ・ドリームス*3の関わりももっと具体的かつ深く受け止められたし、ラスト近くで自分にとって大切な映画をこたえる街の人が、大森氏は大のおすすめだけど、自分にはピンとこなく、愛好者の方々との間に踏み絵のようなものを感じるアルトマンの「O.C.&スティッグス」*4を挙げられていて思いっきりニヤっとしての楽しい幕切れを味わえた。