我等の生涯の最良の年

三人の復員兵が故郷に戻ってくるところからはじまる。お互い戦地で知り合ったわけではなく、年齢も境遇もバラバラなんだけど、新しく始まる生活に不安を抱いているところは全く同じでその強い感情から戦友と呼んで交際を続ける。クラシックな映画ならではの、頼もしい結びつきも感じるけれど、自分の日常生活でいうと闘病生活などをともにした人が強く結びついているような絆にも似たものを感じる。
三人の復員兵と結婚生活が大きなテーマだけど、まさに病めるとき、どう生きていくかそのことに焦点が置かれている。
それぞれが抱える問題をすばらしくデリケートに表現しているということで、すすめてもらったのだけど、確かに復員兵をとりまく視点というのをいろいろな登場人物を使って多様な角度から描いていて細やかだ。例えば、息子に広島の放射能問題とかを問い詰めさせたり。
復員兵のおじさんがしているピアノバーみたいなのがまたよい役割で音楽が効果的に使われている。(音楽だけ陽気でそれを上の空できく、なんてシチュエーションもとてもいい表現だと思った。)
ダナ・アンドリュースという役者さん扮する元空軍大尉の男性が戦後売り子をやらされながら好意を抱いている人に香水を売る接客をしているふりをしながら食事を誘うシーンなどさまになっていてとてもロマンチック。

夜の人々*1でもいい感じだったキャシー・オドネルがまた控えめな魅力。

我等の生涯の最良の年 [DVD]

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みたのはVHS版