夜ごとの夢

昭和八年、成瀬巳喜男監督のサイレント作品。監督のかなり初期の作品で、成瀬監督は一般的に戦後のものの方が評価が高い気がするけれど、この映画ですでにして戦後の成瀬監督のタッチが出ていて堪能した。女性がしっかりしている。男性はといえば、私の好きな斎藤達雄がなんとも哀愁漂うやるせない感じで。。吉川満子、坂本武、飯田蝶子など古い松竹映画おなじみのメンバーが演じる市井の人々がナチュラルでとてもよく、集中的に松竹映画をみていると「また会えた・・」というような喜びがある。
切り口やストーリーの流れは違えど、話のシチュエーションが「その夜の妻」と似ているところがあるのだけど、「その世の〜」の脚色をした野田高梧がこちらの作品の原案者でもあることで納得。

夜ごとの夢 [VHS]

夜ごとの夢 [VHS]

  • 発売日: 1994/06/17
  • メディア: VHS