暖流

録画していたNHKの山田洋次監督が選んだ日本の名作100本より増村保造監督版を。メリハリがきいていてすごくおもしろい。解説の山本晋也氏が、増村監督のイタリア留学経験と監督の映画の持つ独特の個性の強い人間たちの関連を話していて、船越英二が演じた病院のぼんくら息子はマストロヤンニの感じ、あとソフィア・ローレンなども配置するとぴったりで・・といっていたが、左幸子は絶対ジュリエッタ・マシーナだろうなー。(山本監督自身フェリーニの名前も出していた。)
病院経営している豪華な家の雰囲気、鎌倉のシーンの野添ひとみの赤いスカーフ、その時の母役の女優さんの帯の刺繍の感じ、ラストの左幸子のコート姿などファッション的にも楽しい。
前に「千羽鶴」を増村版と吉村公三版をみくらべて(この時も時代的に新しい増村版を先にみてしまった。)増村版はかなりぶっ飛んだ演出だったんだ、と思ったのだけど、この「暖流」も吉村版みたらいろいろ感じることありそう。

NHKのこの番組は、視聴者の声を募集しているのだけど、ちょうど黒澤明監督のスクリプター野上照代さんから「人情紙風船」へのお便りがきていたのをこの日に紹介。演出、主人公の権力への意地、雨のカットなど大変ほめておられ、山中監督を偲んでおられた。この番組のフィードバックも素敵。録画しているのみよう。1/31にも放映があるらしい。(こちら。)

「暖流」は2/20アンコール放送予定。(こちら。)

暖流(1957) - goo 映画