東京するめクラブ 地球のはぐれ方

同じメンバーが中核となっていた「するめ映画館」がとても楽しく、それに先だって出ていたこちらの本も読んでみたのだけどすごく楽しかった。悪趣味すれすれな、そしてどうも中途半端な場所に村上春樹吉本由美都築響一の三人が訪ねて行ってそれぞれの見地からその土地のことを書くのだけど、おもしろがって高みの見物っていうのとはちょっと違って、ずいぶん親身になってこうすりゃいいのに・・みたいな話も出てきて、全体的なスタンスがとってもいい。村上春樹の筆致が特にはっきりしていておもしろい。こんなにズバズバ書くんだ・・小説だけ読んでる時は知らなかった。こういう側面。
名古屋の話が出てきた時に、「アメリカの名古屋はクリーヴランド」というような話が出てきたのだけど、その言葉を踏まえると、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」でのクリーヴランドの場面がさらにおもしろく感じられる。


東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)