するめ映画館

yukkekoさんの日記で紹介されていて気軽に楽しめそうなので読んでみる。吉本由美さんは「アンアン」などのスタイリストということでおしゃれすぎて世界が違う。。みたいな思い込みを持っていたのだけど、感じておられることがものすごくよくわかる。。途中掲載誌が変わっての鼎談形式のところは映画では和田誠さん、原作については村上春樹さんの詳しくてありがたいのだけど、そればかりでは過剰すぎてついていけなくなる感じを吉本さんがうまくこっち側に寄せてくれ、いいバランスの本になっている。
共感しながら読んだのは村上さんとの「落穂拾い」、中野翠さんとの「愛と宿命の泉」(80年代にみて筋を忘れていたけれどこれを読んでなかなか楽しかったことを思い出した。)リリーフランキー氏との「プリシラ」。
全体にその映画の欠点もわかりつつも、でもそれ込みで愛しますという感じが漂っていて楽しい。
興味を持ったのは武田花さんおすすめの「ノスフェラトゥ」。都築響一さんおすすめの「眠狂四郎人肌蜘蛛」。(←お茶の間でみにくい感じ。でも、自分の小学校の頃の怪しい大奥ものと似たテイストを感じてぞくぞくする。) 
「バンド・ワゴン」や「スイング・ホテル」「海底二万哩」(ノーチラス号のお城のような内部)、「クィーン・メリー号襲撃」(音楽がデューク・エリントンフランク・シナトラなんかも出てくるみたいだけど、大混乱のコメディタッチ?和田、村上両氏がお好きみたいだけど、見ている人が少ない映画のよう)、野球もの「春の珍事」もちょっといい感じ。
糸井重里氏の「初恋の来た道」分析は男の視点という感じでへぇと思いつつも貧しくても丁寧に生活することが心を打つというところはほんとだなと。川本三郎さんの「死の谷」談義での西部劇での鉄火女の話は、自分の好きな映画「有りがとうさん」などでの桑野通子さん的なものを感じた。
この本の母体ともいえる「東京するめクラブ 地球のはぐれ方」の方もちょっと読んでみたい。大人な感じでおもしろそう。

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