山田詠美はなんと心の微妙な動きを描くのが上手なんだろう・・主人公が高校生になってからのストーリーは、最近かわいく情けない男子高校生の話にたてつづけに触れていたため、あらなんだか大人になっちゃった・・おいてけぼり?とも思ったけれど、それに至るまでの、小学校から中学までの一見かっこ悪げな話を、決して卑屈にならないタッチで描いてある部分は本当に真摯ですてきで、山田詠美にもう一度出会った感じだった。
物語最後まで通してたとえば一見金銭目当て?みたいなえらい現実主義の女の子も含め多様な人生を肯定しているこの感じとってもよかった。
そして山田さんの別の本でもふれたことのある、死があること前提の生、という考え方、ナチュラルで自分を元気づけてくれる。
- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/06/30
- メディア: 単行本
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