京都文具探訪

おしゃれな装丁なのだけど、この本の根ざすところはとっても渋く、京都の町の古びた文具屋さんの棚の奥からみつけだしてこられた古い文房具を紹介しているもの。しかも、獲物にガツガツっていうのではなく、文房具屋さんとの出会いをとても大切にし、そこでの会話をベースに、自分の幼かった頃の話もまじえてゆっくりと書かれていてとても地に足付いたいい本だった。
著者のナカムラユキさんのお店はいつもとってもかわいらしくまとめてあって、イベントにいってもあまりのおしゃれさにろくすっぽユキさんに話しかけることもできずに帰ってきたりしていたのだけど、この本を読んでかなりユキさんの人となりにふれることができ、親しみが増した。自分たちが「学校前」と呼んで慣れ親しんでいた京都市立の北白川小学校前のほんとに小さな文具店のことをゆっくりとりあげてあることにも感動をおぼえた。

京都文具探訪

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