コタンの口笛

アイヌの中学生姉弟が遭遇する時に心なごむ、時に過酷な出来事を通して、アイヌの人をとりまく環境を描いた映画。自分の生まれるちょっと前にできた映画だが、学校の様子、人々のあり方に、つくりものでないあの頃(昭和30年代付近)の雰囲気がにじみ出ている。北海道旅行の時、ガイドブックでみかけた観光的なコタンへの思いなども描かれており、知らなかったことに気付かされるきっかけになった。成瀬監督は以前みた「秋立ちぬ」でも、こどもが過酷な環境の中で黙々と自分の人生を歩む姿を淡々と描いているところが、おためごかしでなくとてもよく、訴える力が強いと思ったが、この映画でもその特質が生きている。それと、大好きな左卜全さんが活躍していてうれしかった。*1

コタンの口笛(1959) - goo 映画

*1:と、書いておきながら後から読んだらどんなご活躍だったっけ?と思ったのだけど、ご覧になった方とお話ししたところフィリップというアイヌ人で中学校の用務員さんだったとか・・東宝映画データーベースも教えていただく。