金城一紀 映画篇

映画のタイトル(「太陽がいっぱい」「ドラゴン怒りの鉄拳」「恋のためらい/フランキーとジョニーもしくはトゥルー・ロマンス」「ペイルライダー」「愛の泉」)がついている5つの短編集。

タイトルに使われていない映画のはなしもいっぱいちりばめられていて映画好きにはなかなか楽しい本なのだけど、調べるべきこともいくつか残った。

1.「ショーシャンクの空に」の主人公の名前「デュフレーン」に隠された意味、主人公とイエス・キリストとの関係、相棒のレッドが草原を歩くシーンでたくさんのイナゴが飛んでいる理由。

↑「愛の泉」の中で比較文化学科の教授とゼミ生が会話。自分で調べろとばかりに答えを伏せて。

2.あっちにもこっちにもこの作品が出てきたような気もするのだけど、主人公たちによってけちょんけちょんにくさされるカンヌかなんかの賞をとった金持ちでインテリの主婦がアラブ系の労働者階級の若者と不倫するだけのストーリーのフランス映画って何?「明日には世界が滅びる気がするの」っていうのが決め台詞らしい。なんかわたしが喜んでみていた映画みたいな気もするんだけどなぁ。

。。と、メモした後調べたらすぐわかりそうなところもあるんですが、とりあえず載せておこう。

この5つのお話の中で特に好きだったのは「ドラゴン怒りの鉄拳」「ペイルライダー」「太陽がいっぱい」。映画をみていないこともあって、ちょっと立ち止まってしまったものの最終的に胸が一番いっぱいになったのは「太陽がいっぱい」かな。

ふっと気が付いたら出てくる本をあけたらタイトルの前にでてくるさし絵にもにんまり。←おはなしと雰囲気が合致してます。

一番好きで身近に感じたのは「ドラゴン怒りの鉄拳」。

わりとまっすぐに自分を表現できるタイプの若き登場人物がたくさんでてきて、ちょっとまぶしい感じもあった。それに比して「太陽がいっぱい」にすぐにはいりこめなかった原因のひとつでもある主人公のまだるっこさは、実はリアルでよかったな、って感じもする。

映画篇

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