永遠の出口

永遠の出口 (集英社文庫(日本))

永遠の出口 (集英社文庫(日本))

単行本が発売された2003年3月当時、上の子の小学校卒業くらいの時期で、この本の中での中学での不良ぶりに驚いてしまい、途中で読めなくなっていたのだけど、今、上の子が高校になった段階で読んでみたら行動としてここまでいかなくてもあれくらいの年の子の気持ちはこういう感じだし、よくわかるなあ、と思いながら読めた。
端々にでてくる単語(パティ&ジミー、ソバージュetc)などから今のはなしでなくて、1968年生まれの著者の年代に近い小学校〜高校生活なんだなとわかってくるし、それは自分の過ごした時とも近くて、同じような体験など全然してないのに、妙になつかしい気持ちにさせられたし、小学校から中学にあがる春休みの空気、そして高校卒業時の気分とか、もう手に取るようにリアルに感じられ、うまいなあと思った。
今高校生の娘の生活とも重なったのだと思うのだけど、学園生活の、いろいろあれどいろんな将来性にみちた雰囲気の余韻にしばらくぼーっとしてしまった。結構ハードなことがリアルに表現されてもいるんだけど、それも含めてすべてを包み込むようなところがあって、やたら愛想がいい、とかではないけれど、ポイントポイントはちゃんとわかっている同級生をみてすがすがしい気持ちになるような本だった。