豊田四郎監督版の四谷怪談。なかなかキャストも豪華で楽しめた。加藤泰監督版(「怪談お岩の亡霊」*1）でも近衛十四郎演じる伊右衛門の子分みたいな直助役がなんだか変な愛嬌もあって気になって仕方なかったが、今回も17代目の勘三郎さんが演じていて滑稽味、哀愁などを十分に味わえた。これがかねがね評判をきいていた１７代目かという感慨もあった。お岩さんに扮するのは岡田茉莉子。顔がかわっても美しいと感じた。こちらもとてもよい。伊右衛門のことが好きになるお嬢様は大空真弓。大空さんこういう娘役されてたんだなあ。なかなか可憐。伊右衛門とどっこいどっこいの悪女に淡路恵子。違和感ゼロ。「雁の寺」でおなじみとなった三島雅夫さんの按摩宅悦。この二作で三島さん覚えた！仲代さんの伊右衛門、仕官したい一心の悲劇(忠臣蔵とのつながり)という感じがよく伝わったし、最後まで根性のある台詞もなかなかよかった。ラストのシャープな明朝体のタイトルバックが光る。なかなかいいなと思った映画だった。
こちらのページを拝見していてとても共感（私も豊田監督のもの好きなものが多い）かつ勉強になったのでリンク貼っておく。
