人生フルーツ

津端修一さんのことは以前NHKでみて*1、工夫してできるだけ自給自足生活をされているところ、それが歯を食いしばっている感じでなくて、なんだかしゃれて飄々とした雰囲気で生活のデザインをされているのがとても心に触れた。
その津端さんご夫婦のドキュメンタリー、よい評判をきいてみにいきたいと思っていたのだけど、やっと行けた。
CS放送等の視聴が増え、映画館から遠ざかり勝ちな昨今だったけれど、映画館で映画をみることの喜びを味わえた。押しつけがましくなく、とても淡々とした話の運び方、でもわかりやすくまとめられていて、津端さんたちの生活がとてもよい映像で映し出される。この一日一日が人生なんだと、こちらの生きる意識も変わってくる。一緒にみていたひとたちが同じところでぐっときているのがわかるし、この共有感、そして俗世から一時離れて集中できる場所・・ほんと映画館で映画をみるのって、やはり特別だし、時間を作っていかなきゃならないなと思った。

新潟のシネ・ウィンドという良心的な映画館とご縁ができ、遠方会員として会報をいつも拝読しているのだけど、2月号にはこの映画のレビューとして津端さんの手作りドールハウスの話が。そう、孫のために作られたシルバニアファミリーのおうちや(市販のプラスチック製はな、という心持ちから手作りされた)、鳥のための水盤、そして最後に出てくる精神障害のある方の施設の設計など、津端さんの思いやり、それがべったりしたものでなく、おつきあいや社交辞令的なこととは無縁の、でも孤高ではなく、自分のできることを黙ってしましょうという態度がとても好もしいし、すがすがしかった。

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