光と嘘、真実と影 - 日常整理日誌

最近日本映画チャンネルやwowowでの市川崑監督の特集をみつづけている自分にとっては、ひとつひとつについてはあまり細かく語られない市川作品を細かく語りあっていくこの本はとても参考になりおもしろかった。いろいろな市川ファンによる対談で構成されているのだけど、対談というのはなかなかその人をあらわすなあ。わたしと大学が同じで、在籍していたころもほぼ一緒なのに（自分の大学は映画専攻とかなかった）学生時代から市川崑監督の小冊子をつくったり、それが縁で監督の仕事場にはいったり監督と共著を出したりしている森遊机さんのきっちりした調査ぶりも、もとが身近なだけに感心したし（って知らなかったのは自分だけで森さんというのは市川崑研究で有名な人らしい。）、この本以外でもすごい映画の知識をもちあわせ、なんかあのイラストの親しみやすさから想像するよりもっと堅固なものをもっている感じのする和田誠氏の真価も非常に感じた。このお二人が軸になって、いろいろな市川ファンのゲストと対談するのだけど、極端ないいかたをぶちあげがちな人とか、あまり詳しくないのかなと思うけれど、別にそれを隠そうという感じもない人などなかなか人柄がかいまみえておもしろい読み物だった。ちょっと装丁が地味で損している感じも・・