芦屋の優雅なお金持ちの話なんて書くと、ぎらぎらしたもの、あるいは取り澄まして反感をもってしまうものを想像してしまうのだけど、そんな自分の考え方ってなんかすごく
ステレオタイプだな、って思わされるのがこの本だった。人はみんな一緒じゃなくて、それぞれ背負っているものは違う、そしてそれを踏まえた上での他者への敬意。「楡家の人びと」の世界を、昭和40年代にもってきたような感じもある小説。
川端康成の死に接したときの描写とか自分の記憶とかなり重なるものがあった。
寺田順三さんの挿絵は、ミーナの趣味にぴったり。
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windshipさんの日記にもミーナの行進のことが書いてありますのでTBします。