さよなら、さよならハリウッド

ウディ・アレンの映画は、公開されたら必ず行くようにしたい私。おしゃれなインテリの屁理屈って本当に大好きで。。

今回も「オスカーもとったことのある、だけど落ち目の、自己主張の激しい、甘えん坊の監督」という、みるひとにウディ・アレン自身を想像させるような設定で、おはなしがはじまる。

ともするとドタバタになってしまいそうな場面も、監督のエージェント役の男性の落ち着いた演技でとても楽しいものになっていた。

LAとNYの比較がまたでてきて、「アニー・ホール」の20年後、という色彩もある映画。最終的に落ち着く先が、20年を経て、かわってきていて、そこにウディ・アレンの行き着いた先を見たような気がし、好ましかったし、胸に響くものがあった。。しかし、原題の「HOLLYWOOD ENDING」というタイトルを考えると、わたしをジーンとさせたラストも、すこーしハリウッドっぽい要素を加えた終わり方をしてみましたよ、というシニカルな笑いを含んだものなのかしら?と思ったりも。。そこにもウディ・アレンらしい含羞が感じられ好ましい。

三谷幸喜氏の撮影日誌の本に、ウディ・アレンの撮影の色のはなしが出てくるのですが、意識してみると、黄昏のような黄色い色などがとても印象的で落ち着く美しい画面をいつもつくっているなあ。

あとウディ・アレンの服装が大好きなのですが(着崩したシャツにチノ、みたいな組み合わせ)今回も意識してみるとシックだけどいい感じのシャツがたくさんでてきて、それも楽しめた。(パンフレットによると自前らしい。。)せりふや画面にまぶされたよき趣味、物知りでしゃれものの、へなへなしているけれど妙にかっこいいおじさんを遠くから眺めているような楽しさがいっぱいの彼の映画、これからもたくさんみていきたい。

さよなら、さよならハリウッド [DVD]

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