フリーダ

周りの人の評判がよかった「フリーダ」を鑑賞。

 

Frida (字幕版)

Frida (字幕版)

  • サルマ ハエック
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すごく好みの映画だった。

アニメーションや絵画と組み合わせているシーンがあったり、はっとするようなおもしろくてきれいな構図の場面がたくさんあったり、画面がとても楽しい。そして、フリーダの描く絵も良いし、衣装もすばらしい!メキシコとパリが対比して出て来るシーンがあるのですが、そう、メキシコ的なもののもつ土くささ、躍動感、生命力、そういうものに自分はひどく惹かれるし、だからこの映画が大好きなんだ!と確信。

現実に生きている生身の人間の生活というのは、映画の中のようにできごとが整理されてこっちに提示されるわけではないし、最終的には「すばらしい人だったな」と思えるような人にしたって、いろんなアクがあったり、飲み込めない部分もあったりするのだろう。でも逆にいうと、身近な、アクや欠点が目につく人でも魂の部分だけ抽出すれば映画で表現できるほどの美しいものを持ち合わせているのではないかな。。自分の信念をぶつける人、自分をまげない人、誇りをもって生きている人のことを現実生活では「厄介だ」とか「妥協というものを知らないのか」などと、官僚的に考えたりする部分も持っている自分だけど、映画からひとつの視点を与えられた気分。

フリーダは若き日にバスの大事故に遭遇し、それ以来その時背負った障害とともに生きていくことになるのだけど、障害を背負ったフリーダの描き方がすばらしい。よくある日本の安手の番組みたいに安っぽい感動的な音楽とかつけて湿っぽく「努力するいい人」っていうのを表現するのでなく、「もがいているけれど美しい信念で生きている人」というのがびんびん伝わってきて、「人間を表現するのはこうでなければならない」とものすごく感じた。

たとえばお墓参りにそなえられているものの美しい場面、たとえば寝ている枕のすてきな刺繍、フリーダ流に塗り替えられた壁、そんな細部細部もとても印象的で心に残るシーンがたくさん。

「フリーダ」はwowowの「TOKYOシネマスタイル」ってシリーズで放映していたのだけど、このシリーズで紹介される映画よいもの多い。今度の水曜に放映予定のイオセリアーニ監督という方の作品にもなんだか興味を持ってしまったし、10月末の「ロスト・イン・ラ・マンチャ」も私の大好きな作品。

 

2004/10/9 windshipさんのコメント

「フリーダ」ご覧になったのですね。
>人間を表現するのはこうでなければならない」とものすごく感じました。
あー、そうですね。
自分は一体、この映画の、何に感動したんだろうと思っていたのですが
ぽんさんが、書かれたようなことをむいしきに感じて、心が動かされたんだ、と思いました。

自分なりにより良く生きようとすることは
才能がない我々(あっ、すいません、我だ)でも大変なんだから
ましてや、秀でた何かがあれば、より大変だろうなあと感じずにはいられません。

私が今、是非見たいと思っているのは
チェ・ゲバラの青春を描いたらしいロードムービーです。
(2022年1月追記:windshipさんの載せておられたリンクが切れているけれど「モーターサイクルダイアリーズ」のことかな?)

 

私のレス

今日ふや町映画タウンに行ったら84年作品の「フリーダ・カーロ」っていうのもあって借りてきちゃった。85年の新ラテンアメリカ映画祭グランプリ受賞って書いてある。
その解説読むとピカソとの関係とかも書いてあったわ。うーん興味深いです。

windさんの書いてくれた映画、わたしの好きな俳優さんが出るんだね~。「アモーレス・ペロス」の弟役の人。
映画によって顔が違う感じもするわ。
そして監督も「セントラルステーション」の人、ということで期待大ですねー。

2004/10/11 しまにゃんさんのコメント

ちょうど、私も見たんです「フリーダ」
冒頭だけ見て録画体勢にはいる予定が、全部みてしまいました(笑)
この映画公開前に、日曜美術館(NHK)でフリーダさんの特集をやってました。
絵の解説があって、その時は良く解った。(忘れたかな?)
彼女の絵は、劇中でも「貴方の絵は難しいから」と言われていたように、
自分の内面を描いているので、パ!っとみて綺麗、と感じる絵ではないです。
映画で彼女の人生を勉強して、それから見ると(映画では創作された
頃に絵を見せて、絵も見てもらう。という作り方をしてたね。)
とても判りやすかったです。
国自体が不安定で、女性が外に出るって事がまだ一般的で無かった時に事故で家族の重荷になっているのを自覚し、
「自立しなくちゃ!」と決意する。。。あの力強さ。
私は映像の面白さより、彼女の意志の強い力強い生き方に惹かれました。
(もちろん、音楽、衣装、インテリア、様々にステキな物が満載されていましたね)

私のレス

日曜美術館、最近ほんとわかりやすくていいなぁと思うわ。
はなちゃんの感想もナチュラルでいいし。。
フリーダの回みたかったなぁ。。
また再放送してくれるといいなぁ。。
わたしもちょうど ピカソの映画みた直後、ピカソのことやっていて すごく楽しめました。

フリーダの絵、はじめの方のあの売り込みにいく絵とかすごく惹かれたなぁ。。
最後の方のとかいきなりみたらびっくりするような感じだけど絵のつくられた背景を知ってみるとすごくいいよね。

ほんとあの生き方にうたれたなぁ。。
リスクをまず考えてうじうじして
守り姿勢 事なかれ主義の小さな自分を反省しました。

★2022年1月追記

もともと載せていたココログからこちらに転記。当時のチラシをみると、「次代のビジュアリスト ジュリー・ティモア最新作」ということで

ミュージカル「ライオンキング」や前作「タイタス」など、強烈なビジュアルイメージで斬新なインパクトを与えてきた監督のジュリー・ティモアは、本作でもその才能を発揮している。絵から実写へ、CGを駆使した目くるめく映像もさることながら、本作の一番の魅力は、画面から溢れるみずみずしい生命感である。見終わった後の爽やかな高揚感が心地よい。

と書いてある。当時このチャカチャカした画面が苦手とおっしゃっておられた方もいらしたなあと思い出す。もしかしたら今観たらどう思うか不明・・

鮮やかで深みのある撮影は「アモーレス・ぺロス」のロドリーゴ・ブリエトとも書かれている。