ただ映画監督のフィルモグラフィーを並べているだけのものでなく、ちゃんとした批評精神のもとで書かれている101人の監督像。でもその批評がしち難しいものでなく、そう思う心がすごくわかるタッチで書かれていてとても好感がもてる。座右の書としておいておいて、映画をみるたびチェックしたくなる本。
- 作者: 川本三郎
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 1996/12/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
ただ映画監督のフィルモグラフィーを並べているだけのものでなく、ちゃんとした批評精神のもとで書かれている101人の監督像。でもその批評がしち難しいものでなく、そう思う心がすごくわかるタッチで書かれていてとても好感がもてる。座右の書としておいておいて、映画をみるたびチェックしたくなる本。
天本さんが骨のあるユニークな俳優さんであることは訃報とともに紹介された話で知った。
旧制高校から軍にまわされ、東大へ進学、中退、俳優へという経歴をおもちの天本さんだからこそ語れる説得力に満ちた話、なにか自分の、日本の現在をもし天本さんがごらんになったらどう思われるだろう。。と反省したくなるような話が、凛とし、かくしゃくとした調子で綴られていた。
一番胸に響いたのは旧制高校の人たちの人間関係。小説などでもとても親しみをおぼえているのだけれど、旧制高校へのあこがれがまた増した。
ご自分でかかれたスペインの小物の絵や、それの解説の文字からも天本さんのきっちりした、でもせせこましいわけではない人柄がしのばれる。
木下恵介監督や岡本喜八監督のことも少しでてきて、日本映画の好きな人にも楽しめる本になっていると思う。
最近小説から遠ざかっているわたしが久しぶりに小説を読む楽しさにひたれた本。10ページ程度の短編がすごくたくさんあるのだけどいろんな種類の人生がその短い中にすごくうまく描かれていて、自分のいろんな分身がいろんな形で存在していて、本当に心地よかった。山本さんの本って結構あまり好きになれないタイプの主人公とかでてきたりよくしていたけれど今回は、同一視できたり応援したくなったりはげまされたりするような人物も一杯でてきて後味もとてもよかった!
リリー・フランキーの小説もなかなかすごい!という評判はきいていたのだけど、とっても読みやすくて情景はすごくリアルで目に浮かぶような感じ、そして描かれていることはかなり繊細で、よくできているなぁと思った。読んでいる時間確実にその世界にはいりこめる本。
山下さんのマンガを読んだのははじめてだけど、とてもいい感じ!少女漫画誌と青年マンガ誌に載っていたものを一緒に集めてあるけれど両方に通用する感じ。絵もきれいでさわやかなんだけど、一筋縄ではいかなくて骨太で。。現実にはおこらないようなできごとでもそれを通してかかれている真実はきちんと読んだ者に伝わってくるという感じ。社会で苦労している人のことをいつもうまい具合にくみとってかいているのもいいなぁ!と思う。
JTBの「旅」という雑誌に連載されていた紀行文。
70年以前の映画を扱っておられるのでみたことがなく、イメージがわきにくいものもあったけれど、実際にその場所にいって確かめたくなるようなところもあった。
話題になっている映画をみているか、その場所にいったかした場所はすごく興味深く読めたのだけど。。。
またぼちぼち経験を積んでそれからもう一回読んでみたい本。
イラスト+文章という体裁の本って普通に一方向だけ目を走らせておけばいい文章オンリーの本に較べなんかちょっと読みづらくて読むのに時間がかかったりするのだけど、この本は1ページ辺りの絵と字の配分も目にやさしくそして著者の姿勢の素直さ、日常のことからうまく話題をとってくるセンスのよさ(といっも形ばかりのスタイリッシュさとは対極の感じのよきセンス)からとても読みやすい、読んで心地のいいものになっている。まじめにがんばる気になる本。たかぎさんのHPはこちら。