ウチの場合は

最近とても感じるのは新聞のマンガが世代交代して自分と近い世代の方、自分にとって親しみやすい方が担当されているなぁということ。新聞マンガがメインの仕事って感じでなく、すでにしておもしろい別分野の作品を発表されている方の登用が最近の流れのような気がする。
森下さんのこの作品も毎日新聞の夕刊に連載されていたみたいだけど、こてこての政治風刺とかとは遠い世界のものでカジュアルに楽しめる。
前にBSマンガ夜話で「森下さんのマンガは徹底した観察からくるのでは?」ということが論じられていたのだけど
ほんとに新聞マンガという安心できる設定の中にも細かい人間観察があってなかなたのしめる。京都からくるおかあさんは、京都に住むわたしがみてちょっとした機微などすごく納得できるものがあった。あと出てくる家族構成も
自分と似ているのですが、かわいらしい中にも甘すぎずちゃんとリアリティのあるものになっていると思う。
へんてこな顔のペットのかわいさを表現するのも森下さんうまいなぁ。。

ウチの場合は (1)

ウチの場合は (1)

黒船

いろんな種類の作品が集まった短編集なので、読む人によって好きなものそれほどでもないもの、いろいろあるかもしれませんがそれなりにすべていい雰囲気。

たとえば、「自転車フランケン」という自転車ものの名作短編と思われる作品。フランケンシュタインと自転車ってとりあわせがかわいらしくてたまらない!
この本には、「課外授業」「Too Young」など違う世界の人との交流をほほえましく、でもきりっと描いた作品がはいっているけれど甘すぎないのにかわいらしいさじ加減が絶妙だ。


黒船 (Cue comics)

黒船 (Cue comics)

蜘蛛女

中野翠さんが本でほめてられるのをみて鑑賞。
ゲイリー・オールドマン、悪徳警官なんだけど表現が上手で肩入れしてみられる。
で、悪い女の高笑い等々が 焼き付く。
後で知ったのだけど、蜘蛛女は大好きだった「存在の耐えられない軽さ」でサビーナ役をした人(レナ・オリン)だったんだ・・
映画全体、まとめかたもとても好きだった。
退屈させないし、きれいにまとまっている。

蜘蛛女 [DVD]

蜘蛛女 [DVD]

何をかいわんや

ナンシーさんがなくなってからほぼ一年。もう新しいものは読めないと肩を落としている人には朗報、あちらこちらにちょこちょこと書いておられて今まで単行本に収録されていなかった文章がまとまった。1986〜2001のもので、年代とともに文章がかわってきているのも感じ取れる。年とともに円熟味を増すというか、職人芸っぽく文章も完成しているように感じたが、初期の文章もここからスタートなんだという身近な楽しみがあったりして。。寄せ集め感はなく、読んでいる間中なんか満たされた気分になった。

何をかいわんや

何をかいわんや

何はさておき

単行本には収録されていなかったナンシーさんのコラムがナンシーさんがなくなられてから何冊かでたのだけど、これはナンシーさんのものをずっと以前から出していた世界文化社の第一弾。第二弾として出た「何をかいわんや」より新しい原稿も多く、入りやすい。ナンシーさんの逝去以来テレビでいらいらしてもかゆいところに手が届く感じで言語化してくれる人がいなくなった。。と嘆いた方そして、ナンシーさんの原稿がもう読めないというさびしさをおぼえた方もすごく多いと思う。私もこの本を読んで久々のナンシーさんのコラムを読める楽しさを堪能し、もう新作を読むことのできない寂しさも味わった。そして、テレビのことだけでなく、なんてつつしみ深く洞察力のあるコラムニストだったんだ。。本当に惜しい人を失ってしまった。。という思いを新たにした。

何はさておき

何はさておき

セクシーボイスアンドロボ

この作品は第六回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞というのを受賞しているよう。確かに今まで読んだ硫黄さんの本の中でも特別におもしろい!テレクラで人間観察をして女スパイか占い師をめざしている14歳の女の子ニコが、ほんわかしたロボットおたくのロボを従えてたまたま遭遇した事件を解決していく話だけれどやばい世界ぎりぎりに生きていながらとてもリンとしてさわやかでべたべたしない叙情性もあり、どんどんひきこまれ、なんともいえない余韻も味わえる。

セクシーボイスアンドロボ1 (BIC COMICS IKKI)

セクシーボイスアンドロボ1 (BIC COMICS IKKI)