わんぱく王子の大蛇退治

とてもすばらしかった!図柄がまず素晴らしい!


ビデオパッケージより。

70年代以降によくみたアニメの感じでなくて素朴でかわいらしく、またアートアニメーションっぽい雰囲気も。作画監督森康二氏、美術の小山礼司氏の作品ほかのもみてみたい。

スサノオヤマタノオロチ退治の話なんだけど、スサノオの声が若き風間杜夫氏(住田知仁と書いてある)。音楽は伊福部昭氏。
音響効果や画面が「魔法使いサリー」のようなところもあり、懐かしくもわくわくする。(小山氏は「魔法使いサリー」の美術も担当されているからか。。でもテレビ番組だったサリーちゃんよりさらに芸術的広がりがあると思う。)
こどものころ「古事記」(の子供版)を読んでわくわくした感じがよみがえった。神話の楽しさも実感させてくれる作品。

わんぱく王子の大蛇退治 [VHS]

わんぱく王子の大蛇退治 [VHS]

  • 発売日: 1984/11/21
  • メディア: VHS

2020/4/27 友人かなさんがご覧になって感想をメールでくださったのでこちらに。

まず映画冒頭の製作者の名前は魅力的ですね、森さん、大塚さん、小田部さんetc. ホント、高畑勲展を思い出します。
本編出だしの風景のビビッドカラーが今どきアニメと違う雰囲気でした。この後は、風景、特に遠景が比較的淡く、人物や動物たちがくっきりしたカラーだったので余計に感じたのかもしれません。古事記に伝わる話をこのような形にしたのか・・と、相当昔に読んだものをうすぼんやりと思い出します。手塚治虫の『火の鳥』にも感想で触れておられましたが、これも同様に思い出しました。ラストのスサノオが「僕はここに住んで、よい国を作る。お母様が言っていらした場所はここだ」的なセリフは、破壊後の世界からスサノオだけでなく、少女、大男、うさぎ等、全員が力を合わせて再生しようとしている場面となり、何だか震災後の日本を思い起こさせるものでした(日本の場合、いまだ課題満載ですが)。と同時に、スサノオの兄の国は、神である兄の力によって一瞬で破壊された神殿が復活している。絶対神君と一般民との違い、スサノオは強大な力を持っているとはいえ、この映画では一般民に近い存在として描かれているのだなあ、と。そのために子どもの姿だったのかなあ、と今書きながら思いました。

↑なるほど、観た時そこのところ意識してなかったけれど、この作品でも最後、やはり、スサノオだけでなく、みんなが力をあわせる流れだったんだ。。「ホルス」の話でそういうことを意識したのだけど、この「わんぱく王子~」もそうだったか・・と。
アニメーションの仕事、どの方がどの部分されて、だからこういう特徴があってというのがまだなかなかちゃんと理解できてないのだけど、とにかく東映動画作品の味わいはほんと良いものだと思う。