中野翠さんのサンデー毎日に載せているコラム、毎年末その年のまとめが出るのを楽しみにしているのだけど、読んでなかった分が古本屋さんに売っていて買っていた。
そして、この本、買っただけでまだ読んでなかったと思ってこの夏読んで、以下の感想を書いたのに・・なんと!はてな日記でこの本を読んでいる他の人のブログを読みに行ったら自分の昔の日記だった・・!おいおい・・そういえばなんか読んだことあるなぁ・・という文章が混ざっていた!でもかなりの部分新鮮に読んだし、とりあげポイントが違っている・・ので、以下気を取り直してこの夏のこの本の感想。負け惜しみみたいだけど、本を読み返すっていうのもいいな!
98年ということでいくらなんでも古いかな・・という気もしたのだけど、いやいやどうして・・以前、斉藤美奈子さんの時事コラムが何年か前の分をまとめて出版された時、知人がやはり年代が経ってしまっていることに躊躇していたものの、「ああ!あの年にはこういうことが・・」という楽しみがあったといっていたけれど、この本でもそういう感じを味わえた。
この年は、長野五輪で日の丸飛行隊が活躍したり、和歌山毒物カレー事件が起きたり、銀座の「並木座」が閉館になった年らしい・・
そしてメモをとりたい事柄もいろいろ。映画や本の話題は時の制約を全く受けていない。
戦火のサラエボを舞台にしながら、「題材の重さに寄りかかったり、ヒューマニズム讃美に走ったりしないで、きちんと映画的に面白く、味わい深く仕上げた映画だった」という「パーフェクトサークル」。
橋本治の「笛吹童子」←非武装主義のヒーローとしての取り上げ方。このあいだ図書館で、橋本さんのYA向けの新書をみかけてなかなかいいなぁと思っていたのだけど橋本さんのこういう啓蒙的な部分って好きだなぁ・・もっと読もう。
中野さんのおすすめで手に取るつもりなのは、チェン・カイコ―の映画「子供たちの王様」や著書「私の紅衛兵時第ーある映画監督の青春」、市川雷蔵の「薄桜記」
「坊っちゃん」の山嵐が会津出身というところに注目されたり、並木座の最後を飾った成瀬巳喜男監督の「晩菊」をとてもほめておられたり、藤原釜足の存在感ある脇役っぷりや浪花節に惹かれたり・・まったくもって共感!
- 作者: 中野翠
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 1998/12/01
- メディア: 単行本
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