このあいだからの第二次世界大戦もの探求の流れで、戦争裁判ものを二つみてみた。
「ニュールンベルグ裁判」の方は劇映画、「スペシャリスト」の方はアイヒマンの裁判のドキュメンタリー。「ニュールンベルグ〜」の方がもちろん見やすく構成されているが、「スペシャリスト」の、これがアイヒマンでこういう表情でこういう受け答えをしていたのか、という有様は、なにかとてもずっしりと考えさせられた。正味、自分も仕事上で上の意向に逆らうことなどほとんどない、上が狂った命令をしてこないだけで、アイヒマンとどういう違いがあるんだ・・こんなことを起こさないようにするためにはどうしていけばいいんだ・・というような気持ちになった。少なくとも上の暴走をとめる装置が必要だよな・・
「ニュールンベルグ〜」の方も、ナチスの強制収容所の映像に、ターゲットを定めて、自分の支配をより強固にし、恐怖政治を敷く、そしてそれにならしていくというやり口に他人事じゃないものを感じたが、この映像で情に流される判断をするのでなく、個々を法的に裁けという弁護側の言い分も鋭いのだろうな。裁判長のスペンサー・トレイシーの魅力、そして、ナチス時代の法務大臣役のバート・ランカスターの重み。軍人の妻役のマレーネ・ディートリッヒ。それぞれの立場がちゃんと描かれ、一面的でなくよかった。黙して語らぬ元法務大臣の前に配したアクの強い、被告側の弁護人の使い方もおもしろい。
両方の映画をみて感じたが、裁判の、勝つためにはとことん追い込むあの感じ、わたしにはこの仕事は無理・・
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