アイヒマン・ショー

ちょうどアイヒマンの裁判のドキュメンタリー「スペシャリスト」*1を借りてきたタイミングでwowowアイヒマン裁判のテレビ放映を担った人々の映画「アイヒマン・ショー」をやっていたのでみてみた。が、よくマスコミについていわれる、自分の思った画をとって行こうとする人たちという感想を持ってしまった。(アイヒマンが特別な人間でなく、誰だって状況が整ってしまったらこうなるという考え方はこの作品の中のディレクターと全く一致しているのだが・・)
仕事に燃えている人の映画でちょっとした家族あるいは恋人との交流シーンがはさまれたりするのがよくあるけれど、あれがどうも自分にはくすぐったい。この映画ではちょっとサービスシーンのようにも見えてしまって・・ほんとは、まだナチの残党もいて、愛する家族を狙われたり命がけの放映だったという表現ではあるのだけど、なんか最初から善悪や持つべき感想が決まっているおはなしをみさされているような居心地の悪さを、映画「スペシャリスト」をみた直後なので感じてしまった。
この中に出てくるディレクター レオ・フルヴィッツ赤狩りの犠牲者であること、またイスラエルの現場で共産主義者である部下が、アイヒマンに危害を加えるかもという危惧から撮影隊から外されるというエピソードなどは心にフックを残している。

ハンナ・アーレント」という映画がまさにアイヒマン裁判についてアーレントが語ったこととその波及について描いているそうなので、いつか見ようと思っている。そして、映画「ハンナ・アーレント」について宮台真司氏と神保哲生氏が語っている2014年1月11日のvideo news、なかなかおもしろかった。