教授のおかしな妄想殺人

まあまあという評判もきいたが、もちろんウディ・アレンの最高傑作ってことはないだろうけれど、ウディ・アレンのエッセンスでできた万華鏡みたいな映画でちょうどいい按配に楽しめた。コンスタントにこうして楽しめる作品を作っていくの本当にすごいことだと思う。
女性のうわさも多くなにかと精力的だった哲学教授ホアキン・フェニックスが中年期鬱みたいになって・・それを解消するのは私怨のない、でも社会悪のような相手の殺人計画、という「罪と罰」とヒッチコックの「見知らぬ乗客」*1がまざりあったようなお話で、なかなか楽しめた。ペシミスティックな考えにとらわれ、でも実は達観してなく救いを求めている男の姿は「人生万歳!」*2とも重なるし、つきあいやすい女と、ピュアな自分を投影したような女の対比、後者の女も素敵なんだけど葛藤もありみたいなのも「マンハッタン」や「マッチポイント」も思わすようなところもあり、終始にやにやしながら見続けられる。恋愛と犯罪絡ませたものって自分は苦手のはずなのにウディ・アレンって実はそういうの多くて、どれも楽しめるんだよな。根底にユーモア(いろんな種類の、だけど)をたたえているからかな・・
ヒロイン、エマ・ストーンも魅力的。「ラ・ラ・ランド」の人なんだ・・