小津監督のものにしては救いがなくて失敗作だとかいう評判もきいて、覚悟して観たけれど、なんのなんの!すばらしい作品!展開は確かに暗いかもしれないけれど、あのかわいらしい音楽とあいまってなんともいえない味わい。小津監督の作品ってそんなに明るい一方ではないと思うし、どっかかなしみをたたえた中に、でも、やっていくような風情がいつもある気がするし、この映画も原節子の山田五十鈴へのきっつい言葉なんかにたじろぐけれど、でも人生は進んでいく・・って感じでわたしは好きだった。以前にBSで小津特集をしていたときのテレビ放送でみたのだけど、山本監督が「イタリアンネオリアリズモの感じもあって・・」というようなことをおっしゃっていて、わたしの好きなあの音楽にもそういうもの感じるなぁと思った。
- 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
- 発売日: 1991/07/27
- メディア: VHS
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