緋牡丹博徒

最近たてつづけにみた60年代がらみの日本映画をみているけれど、まず一番インパクトを受けたのはこれ。実にすばらしい!日頃疲れている人がすかっとしにみにいく映画としてつくられていると思うのだけど、わかりやすくてかっこよくていい!ストーリー上の少々のムリを押し切る力がみなぎっている!お竜さんについてくる子分のおじさんがまた味がある!お竜さんの九州の言葉もきいていてすかっとするし、後の舞台になる大阪の飄々として頼りないおかしさも盛り込まれていて本当に楽しめる。緋牡丹の色も、緋牡丹を添えたデザインもすてき!ヒットして当然の作品。

まるさんのコメント

緋牡丹博徒シリーズが一世を風靡したときのことは、わたしもちょっとだけ小さかったので知らないのですが、藤純子さんとほぼ同世代の夫は、さすがに詳しいです。
シリーズの中でも、お竜参上が一番の傑作といわれているようですね。東映の重役のお嬢さんだったときいていますが。夫が高校生のときは、土曜日学校から帰るとテレビで松竹新喜劇だったかな?をやっていて、そこに出演されていたといっていました。お嬢さんが刺青で仁侠映画の主演を張るということで、世間を驚かせたらしいですね。
それにしても藤純子さん出演映画一覧を見ると、1年間に何本も映画に出られていてびっくりです。それだけ日本映画の黄金期だったということでね。
娘さんの寺島しのぶさんで緋牡丹シリーズをもう一度との声もあるようですが。
66年の大河ドラマ義経」に静御前役で出られたのが縁で、義経役の菊五郎さんとご結婚されたというのもすごいですね。
私にとっては、3時のあなたの司会の寺島純子さん(その後富司純子さんに改名されましたが、てっきりじゅんこさんだと思っていたら、すみこさんなんですね!)が、才色兼備のイメージで印象に残っています。オープニングの音楽も思い出しましたよ!

さらに、まるさんのコメント

暇にまかせて調べてたら、富司純子さんのお父さんって、仁侠映画生みの親といわれている俊藤浩滋さんというかたで、東映のプロデューサーをしておられたかただとあるページに書いてありました。仁義なき戦いをはじめとして、緋牡丹シリーズのプロデューサーもされてたとも書いてありました!高倉健他多くのスターを育ててこられ、まさに映画の黄金時代をつくられたかたのようです。
私の青春時代の思い出の映画「冬の華」の企画もされた方らしいです。

緋牡丹博徒 [DVD]

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暗殺

篠田正浩監督作品。大河ドラマ新選組!」の影響でみはじめている幕末もの。清河八郎を主人公にしたもので、清河には丹波哲朗さんが扮している。「新選組!」でも白井晃さんという、意外性のあるくせもの的魅力のあるような俳優さんが演じておられましたけれど、丹波さんもはまっていた!大柄で茫洋としていながら、油断ならない剣の力をもち、理想を実現するためには手段を選ばないようなところもある、とらえどころのない策士、という雰囲気。若き岩下志麻さんもかわいらしかった!一番新鮮だったのは、時代劇でありながら、とっても新しい撮り方だったこと。ストップモーション、手持ちカメラがぶれる躍動感。後できくと、篠田監督は最初はやっぱり日本のヌーベルヴァーグといわれていた監督さんの一人だったとか。わたしはずいぶんたって、落ち着いた作風になってからみているのだけど、「こんな作品を撮っておられたんだ!」ととても新鮮な驚きがあった。時代劇ってひとくくりにしてきたけれど、ちょこちょこみるようになると、個性がそれぞれあることがわかって楽しい。

暗殺 [DVD]

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青春デンデケデケデケ

これは、60年代に撮られた映画ではなく、60年代の日本が舞台。「デンデケデケデケ」っていうのはエレキギターのあの響き。バンドに特別の思い入れのないわたしにも、四国の小さな町の高校生が、エレキに目覚めてバンドをつくるそれだけの話がとっても楽しく味わえた。あのエレキの音が大好きに。。ちょっと冗長な部分もなきにしもあらずだけど、そのもどかしさがまた青春っぽい感じもあり、夏のはじまりにみるのにふさわしい映画のような気がした。ごく自然な感じで、ただそこにある感じででてくる昭和時代のおうちや町のたたずまいがとっても美しくそれも楽しめるし、高校生たちが、くそまじめじゃないけれど、真摯になにかをやっているところがかわいらしい!浅野忠信が、自然な感じでいいよ、ときいていたのですが、本当にもう地味でおとなしい!でもそれがすごくいい。最近のものの時感じる わけのわからなさ、の要素はなくて。旧制高校の雰囲気が大好きなわたしですが、この映画も、時代は旧制ではないけれど、その雰囲気をひきついでいました。基本的には男同士のストイックな友情を描いている感じで、でもお互いの方にべったり向いてしまってるのでなく、結構それぞれの方向があるようなところがよい!と思った。ラスト近くに主人公がおちいってしまう気分もものすごくよくわかった。