天のしずく 辰巳芳子いのちのスープ

辰巳さんや辰巳さんに共鳴を受けた人の丁寧な仕事をみていると、なぜだかお墓参りをして手を合わせた時のような、心の平安が訪れた。(そんなに行けているわけではないので尚更、いつも気になっていることができたような心持ちになるあの感じ。)
自分はいつもいつも丁寧にできているわけではないけれど、辰巳さんの姿にはなにかしら影響を受けている。施設に入っている母を家に連れ帰ってきたときには、せめて手作りのスープを食べてもらおうかなという気持ちになるし、それだけでもいいのかもと思っている。
辰巳さんがお父さんの看取りのときに作られたいのちのスープの考え方、その人のことを思ってこれなら入るかと作ったスープのこと、その考え方を取り入れているホスピスも紹介されていたが、ホスピスの仕事をずっと続けることの偉さ(精神的なつらさを乗り越えられる強さ)を辰巳さんがおっしゃっているところも印象に残ったし、時間のかかりそうな玄米のスープを作りながらそれを作る時間を与えられているありがたさのことを語っておられる姿も心に残った。
長島愛生園でご友人のために不自由な手でスープを作られた方の姿、また、日本全国北から南までの土を採取してそれを美しく展示している栗田宏一さんのところに辰巳さんが訪れているところなどもとても印象に残った。
美しい映画だった。