黄金の馬車

貴族が巻き毛をつけたりしている西洋の時代物って苦手な自分なのにこれはとっても楽しめた。ヴィヴァルディの音楽で幕が開き、絵本を読むようにその世界に入っていき、ヴィヴァルディと共に幕が閉じるあでやかさ。宮廷恋愛劇なのにとてもチャーミング。副王を演じているダンカン・ラモントのこの世界に飽いて逃げ出したい、でもできないっていうやるせない表情に大阪のぼんぼんみたいな魅力を感じる。一座の座長を演じるオドアルド・スパダーロの風格と軽やかさ。女主人公アンナ・マニャーニ倍賞美津子的な魅力。すてきな色彩、一座の子役たちのくるくる回る楽しさ。黄金の馬車を巡る展開のおもしろさ。旅芸人の哀しさと輝き。ああすてきな時間を過ごせた。

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