フェリーニのローマ

フェリーニの、くどくどしい説明なしに次から次へといろいろな画面が出てきて、ひとつの画面の中でもいろんな人がくちぐちに語ったりするあの感じ、天才の仕事って感じで、もっともっとみたくなる。最後の方で語られるローマは滅びと復活を何度も体験した場所で、世界が崩壊しかかっている今いたい場所、というシリアスな言葉も全然重苦しくなく、だからその船に乗ってやっていくのさ、という感じでかっこいい。やかましいお客さんいっぱいの劇場の場面、昔をしのぶ老王女の幻想の聖職者向けファッションショー、ほんもののお祭りなど祝祭的シーンは名人芸だし、いろんな顔を持つローマを絵でうまく説明している。

フェリーニのローマ [VHS]

フェリーニのローマ [VHS]