石黒亜矢子作品集

石黒さんは現代の浮世絵師というか、妖怪変化あるいは物語に登場する人、動物などをとても愛情深くそのものが持っている魅力をうまく引き出されて描かれていて拝見していてとても楽しい気持ちになる。とても精緻に描かれている時もあればちょっとしたマンガタッチのような時もあり、いろいろに味わえる。
好きだったのは干支を描いたもの。それぞれの戦闘シーンがかっこいい。たとえばねずみ、うさぎ、ひつじなどのおとなしい動物までもが。こびてない目つきがいい。

うちわやかるたなどもはさみこまれ、とても贅沢な、たびたび読み返すのに値するような一冊。

石黒亜矢子作品集

石黒亜矢子作品集

いもうとかいぎ

最後に「このたいせつなえほんをふたりのむすめへ」と書いてらっしゃるけれど、まさに二人の娘さんをお持ちの石黒さんならではの作品。妹の気持ちも姉の気持ちもわかっていらっしゃる。
じょろうぐものじょろこさんがとてもかっこいい。ダーク世界の住人描かれるのうまいな。

いもうとかいぎ

いもうとかいぎ

おおきなねことちいさなねこ

実家のねこがモデルになっているのかな?これもきょうだいの物語のようにも読める。コミカルでくりかえしなど音のたのしさもあり、読み聞かせしてあげたら楽しんでくれる子ども多いのでは?

おおきなねことちいさなねこ

おおきなねことちいさなねこ

東京タラレバ娘 8

やっと女の友情という名のおせっかいという話まで踏み込んできた。(常々もどかしく感じていた)主人公倫子の成長にかなり溜飲の下がる巻。

重版出来! 9

昔のハリウッド映画をみていると、主人公カップルのために当て馬になる人、その後のその人のことは知らん!なんて状況がたびたび出てくるのだけど、この作品はそういうのがなくて、ひとつの華やかな出来事の陰にはこういう苦労があって・・みたいな多面的な見方でちゃんと描かれているのが読んでいてとても気持ちがいい。

ネコヅメのよる

コワい顔なのに魅力的なネコ。実はうちの猫もコワい顔なのでコワいながらも表情豊かな猫の姿がとてもうれしい。ひっそりしていて読後にっこりするような良い風合い。数々のいい猫の顔が描きこまれていてにやにやしながら何度も読み返してしまう。

ネコヅメのよる

ネコヅメのよる

激動の記録 第1部

映画館で本編上映前に流される日本ニュース。この巻は昭和15年〜20年まで。
学徒出陣の姿、国の定めたように行動しなければならない有様。。一番やるせない。再現フィルムではない映像の力。
最近、太平洋戦争前後のものをまとめてみていて、例えば去年の夏放映していたNHKの、実在の人物を描いたドラマ「百合子さんの絵本 陸軍武官・小野寺夫婦の戦争」などでもそうなんだが、各部署には優秀で、国の犠牲を小さくする努力をしようとしている人がいるにも関わらず、国としてはストップがきかずに突き進んでいってしまう状況をあちこちで知ることになり、どうすれば歴史から学ぶことができるのか、よりよきシステムができるのか、そのために自分ができることはないか考えこんでしまう。

NHK特集 激動の記録 第1部 戦時日本~日本ニュース昭和15-20年~ [DVD]

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