ロスト・イン・ラ・マンチャ

テリー・ギリアム監督が、ジャン・ロシュフォールドン・キホーテに、ジョニー・デップサンチョ・パンサに間違えられる現代人の役にあてがう楽しげな映画を壮大かつ緻密なセットで撮ろうとしているのに、いろいろな要因がじゃまをして撮影が続けられなくなってしまうという顛末を描いたもの。。映画のメイキングをつくるつもりが、頓挫している姿をルポする映像になってしまったらしい。テリー・ギリアム自身が困難で滑稽な、でも愛すべき生き方をしているドン・キホーテみたいなシチュエーションになってきてしまい、それをスペイン風の音楽にあわせて紹介しているこの映画、ドキュメンタリー特有の乾きすぎた感じもなく、ムードがあって、もう天才のままならぬ人生のつらさが胸にせまってきて、涙がでてしまった。ロシュフォールジョニー・デップの素に近い姿もかっこよく、みるところの多い作品だった。

ロスト・イン・ラ・マンチャ [DVD]

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