家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

 

岸田奈美さんのこと全然知らなかったのだけど、若き知人が奈美さんにインタビューの仕事をしたことがきっかけでこのnoteの記事を紹介され本も読みたくなった。

そういえば障害を持つ妹さんのある別の方も奈美さんの文章を読んでわかるというような話をしていた。ちょっとその原文が出てこなくて曖昧なのだけど奈美さんも弟さんのこと「大変でしょう」とかいわれるのとても嫌で強がりとかでなく自慢したい気持ち持っているのにというような話。それとはちょっと違うかもしれないけれど私も脳出血のあと車椅子生活になった母と散歩している時さほど親しいわけでもないひとから「大変ね~」とかはなしかけられるのがとっても嫌だった。しゃべれなくなっても話は理解しているのに。。。施設などでもほんとしゃべれなくなるとそういうことが目の前でたびたび起きて私に同情みたいな口調でもとっても気分が悪くなった。別に自慢の母とかではなく、身勝手ぶりにいつも悩まされていたんだけどこんな言い方ってあるかいなという気持ち。

奈美さんの本を読んでいると当事者しか味わえない思いをもっと表に出していかなきゃなあという気持ちにとてもなった。中途半端な同情、変な色眼鏡でみられることをおそれて家族に起きたことをなかなか詳らかにできないのだけど、ほんとはそれこそが残すべきことでもあるかも、と。奈美さんの、関西人ならではの面白さ、すがすがしさで、家族のピンチをこんなふうにかっこ悪くなく重苦しくなく書けるんだーと。自分もちょっとずつ小出しに書ける時は書こう。

こちらに紹介してある、この本に使われている弟さんのノンブル文字もとてもすてきだったし(さすが祖父江慎!)奈美さんを推している知人のこともさらに良いわ!となったのだった。