若大将対青大将、アルプスの若大将

 

若大将シリーズを観たことがなかったのだけど、気楽なものを観てみたい気分&田中邦衛さんが亡くなられた時、若大将シリーズの青大将が代表作に挙げられることが多かったので一度は観とかなければと「若大将対青大将」(1971)を鑑賞。シリーズ17作目、青大将もずいぶん時間をかけて大学卒業、加山雄三扮する若大将も社会人で次世代に若大将を譲るという話になっていてシリーズも熟している雰囲気。

加山雄三のモテモテや歌唱はどっちでも良くて、だからこそ観るのが今に至ってしまったのだけど、邦衛さん演じる青大将の滑稽な敵役としての活躍ぶりはものすごく楽しかった。様々な衣装がえ。お坊ちゃま役だけにとても豪華。

加山雄三のことが好きな文書課の女子に懸想して、文書課に入り浸り、好きでもない女子に追っかけられるのだけど、その邦衛さんを追っかけてる女子の声に聞き覚えがあると思ったらアニメ「ひみつのアッコちゃん」の初代アッコちゃんの声の担当の太田淑子さんという方だった。

邦衛さんも大学生というには随分年をとっておられるのに松村達雄に「パパ」とか甘えてみたり、お手伝いさん千石規子さんにいつまでも心配をかけたり、とにかく青大将周辺が楽しくて、調子に乗ってもう一本みたのが「アルプスの若大将」(1966)。

こちらは監督も前者とは違っていて、小松政夫の自伝ドラマ「植木等とのぼせもん」で鬼のように精力的な撮影っぷりの古澤憲吾監督作品。確かにこの映画、盛りだくさんなんだけど、元気なひとが撮った映画という感じ。スキー部の競技シーンが至極きちんと撮られていて時間も割かれているのだけど、スポーツ観賞に関心のない自分には長くて辛い。加山雄三の歌も聴かせどころなんだけどそちらもどちらでもいいもので、もっと青大将が出てこないかなーと待望んでばかりになってしまった。加山雄三のことをアイドル的に好きな人、スキーの好きな人には楽しめるのだろうな。ゲレンデのコントラストなどは美しかった。

若大将の実家が出てくるのは楽しい。おばあちゃん役に飯田蝶子さん。カラー時代になってからの作品、自分はあまりお見かけしてないかも。飯田さんはとても良かった。

そして、イーデス・ハンソンの出演。関西では幼い頃ほんとに良くお見かけしていた。ふと、幼き頃の外国人ブーム、ヒデとロザンナやフランソワーズ・モレシャン、クロード・チアリなどの名前を思い出す。

お相撲の千秋楽での懐かしいパンナムのえらいさんの「ヒョウショウジヨウ」という言葉も収録されている。時代を感じる意味では楽しかった。