木村家の人びと

 

居島一平坂本頼光の暗黒迷画座」という映画紹介トークyoutubeで公開されている。

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最初に見た「悶絶どんでん返し」の解説がすごく面白く、続けて「小原庄助さん」の回も拝見。そこで「小原〜」で奥さん役をされた風見章子さんがこの映画にも出ておられることを知り、風見さん目当ての鑑賞。風見さんは昭和の後期に品の良いおばあさん役をたくさんされているが、こちらも少し認知症が始まってはいるものの加藤嘉の心をとらえる美しい老婦人役。加藤さんもとてもかわいい明るい衣装で登場。

木村家はとにかく小銭稼ぎに目のないファミリーなもので人のためにお金を使って立ち行かなくなる小原庄助さんとは対照的。今流行りのアプリ等でポイントをためるポイ活に通じるようなメンタリティーも感じるが、ポイ活みたいに企業等に利用されている感じではなく、自らアイデアを絞ってサイドビジネスの鬼となっており、親戚を泊めたら代金を要求するようなところは滑稽感も漂う世知辛さも感じさせるが、逆に考えたら何でもお金で割り切っていて付き合いやすいようにもみえるし、自ら立案して体を使って小銭を集めることが変でもなんでもないようにみえたりした。この作品が作られたバブルの時代には笑いの対象になっていた小銭稼ぎビジネスが今では笑えないほどリアルだからかな?

お色気電話ビジネスの表現は、反復もありもう少しさらっとした表現でもいのでは?と思った。アルトマンの「ショート・カッツ」とかでは同様の表現に面白さを感じたのだけどな。ピンク映画のなごり?ちょっとした差なんだろうな。竹中直人の廃品回収業者対子ども会の場面も自分からみたらやりすぎの感じ。じゃあどう表現すればちょうど面白いのか?という話なんだが・・ダンス教室のくだりでは、螢雪次朗演じる講師が「Shall we ダンス?」での竹中直人風。これはこちらが先。

カネカネカネの木村家に疑問を感じてしまう小学生の息子は伊嵜充則。「八月の狂詩曲」でも大事な役をつとめ、メーキング*1で黒澤監督にほめられていた子だ。