自転車泥棒

↓アマプラの解説は浜村淳の映画解説のようなネタバレあり。要注意。

自転車泥棒(字幕版)

自転車泥棒(字幕版)

  • ランベルト・マジョラーニ
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タイトルだけ知っていて、知人がたとえに使ったりしているものでいつか観なければと思っていた作品。哀しげで憂鬱だったらどうしようと二の足を踏んでいたが、先日観た「怒りの葡萄*1同様名作のバワーはそんなヤワなものではなかった。

仕事にありつけるのが大変な時代、ようやっと主人公がありつけたのは自転車がなければ採用されない仕事。皆が貧しい時代、その大事な自転車を仕事中に盗まれてしまう。子どもと一緒に自転車を探して探して。。の一日。その描写がシンプルだけど退屈させない。

仕事にありつけるための奥さんの思い切った英断。ちょっと首をかしげるような、でも彼女にとっては真剣な行動。そんな積み重ねが話を盛り上げる。守らなきゃならないものがあるからこその主人公のドラマ。

息子役の子どもがキアロスタミの映画ばりに真摯な瞳でナチュラルでかわいらしい。そんな息子がいるからこそのこの映画のダイナミズム。出てくる人出てくる人のリアリティ。だれない面白さ。本当によくできた作品だ。