コラムニストになりたかった

 

コラムニストになりたかった

コラムニストになりたかった

  • 作者:翠, 中野
  • 発売日: 2020/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

「あのころ、早稲田で」*1の続編ともいえるような69年から2010年代まで中野翠さんの軌跡を綴ったもの。自分も生きていた時代というのもあるのかさらに読みやすい。驚いたのは中野さんが雑誌「GALS LIFE」の仕事をされていることだ。当時のティーン向けの雑誌の中ではショッキングピンクみたいなイメージのちょとあけすけな雰囲気のあった雑誌だから。お仕事をされていた主婦の友社つながりなのだろうな。とにかく仕事はできるだけ断らずやっていかれる主義だったようだし。中野さんの文章で思い出したが、原田治さんの描くポニーテールの女の子のイラストが確かにあった。そして赤羽建美さんが編集長だったんだ・・私、80年代に赤羽さんの本面白いなと思って読んでいた時期があるのだけど、調べたら(こちら参照)「日本のシ語」かな?「アーバンなクルマ生活」というタイトルにも覚えがある。いかにも80年代のあの頃っぽいタイトル。あと、ちょっとした恋愛ものとかも読んだ記憶が・・中野さんによると赤羽さんは「週刊プレイボーイ」の編集者でしゃべり方もしぐさもキビキビとしていて「我が道を行く」という感じの方だったらしい。

「Gals Life」、どこかに紹介がないかと思ったら取り上げられているブログを見つけた。(こちら)。原田治氏のイラストも出ている。そして、ブログに書いてある通りヤンキー風味だったな・・

そして、秋山道男さんの話。私は若松プロを描いた映画「止められるか、俺たちを*2にオバケという愛称で出てこられたのが秋山さんを意識するきっかけだった。パンフレットの座談会にも参加されていたが、その後すぐ亡くなられ、雑誌「映画芸術」の「止め~俺」の特集号に内田春菊さんの思い出の文章が載っていた。中野さんとの接点は、西武のPR誌「熱中なんでもブック」というものを作る時秋山さんに召集されたそうだ。「止め~俺」でも、こっちが勝手に資本主義社会とは縁が薄そうと思い込んでいる若松監督周辺の人たち、売れるものならなんでもという感じで特撮ものの脚本などガシガシ書いておられたが、秋山氏はそこからもっと先、チェッカーズ小泉今日子無印良品のプロデュースをされたのだった。「ゆけゆけ二度目の処女」*3ご出演中の姿を思い出し、あの方が・・と頼もしい驚きを覚える。

秋山さんについてはブックマークさせていただいている神戸山さんのブログ「2ペンスの希望」にも記事が載っている。

kobe-yama.hatenablog.com

その他、赤塚不二夫さんなど、中野さんが媚びずに持ち前の生き方で出会ってこられた方々とあの時代のことがとてもわかりやすく楽しく描かれている。面白かった。