裏「サンダカン八番娼館 望郷」。人身売買の経営者側の人間が主人公という昭和!今村昌平!という感じの作品で「この主人公村岡の主張そのままでは今の時代を生きるのはキビしそう。。」と思いながら観ていたが、なんだか村岡の姿を滑稽さと真摯さと悲哀をまじえてうまく描いておりいやな感じがしなかった。演じきった緒形拳の九州の言葉がナチュラルに聞こえるし大層愛すべき感じ。緒形拳の魅力も大いに影響を与えている。
彼が愛した女性を演じた倍賞美津子がまたいい。村岡のロマンチストぶりをうまく凌駕する愛すべきリアリスト!その対比がたびたび出てきてなんかイカす。どのシーンもとても魅力的でこのストーリーにぴったりハマる。
予想外の爽やかな気分になった。