ハローキッズ!

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宮城まり子さんとねむの木学園の映画はミッション系の中高に通っていた時、道徳系の授業時間に見たことがあった。でも内発的にみたものでなくて、いい話として片づけてしまっていたと思う。

大人になってから展覧会*1で宮城さんの子どもの頃の絵を拝見しその達者ぶりに驚いたり、職場にねむの木学園の子どもが描いた絵のダスキンカレンダーが貼ってあってよい絵だなあと思うにつれ、宮城さんとねむの木学園に出会いなおしたくなってきて、そんな気持ちの折、NHKの「あの人に会いたい」という故人を紹介する番組で宮城さんの話に巡り合った。↓のリンク先からは吉行淳之介さんのお話は出てこないようなのだけど、放映では、宮城さんが役作りで訪れた障碍児教育の現場をみて、いてもたってもいられず私財を投げうってねむの木学園を設立した時、売名だとか素人が何をのような非難が出、パートナーだった吉行さんがしっかりと支えてくれた話をされていて、クールガイにみえる吉行さん、良いところあるなあなどと思ったのだった。

 

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そんなこんなで、ふや町映画タウンにある未見の宮城さんの作品を観ることにした。

ねむの木学園の子たちが、NYハーレムの子たちと出会い、自分たちも舞台に立つというドキュメンタリー風の映画。(物語的要素の強い部分もある。)

一番最初にリンクを貼ったこの映画のページの淀川さんの「ラスト・シーンに近いところで宮城さんが“ねむの木学園”の上級生らしき男子にミュージカルのダンス・リズムをくりかえしくりかえし教えるところは彼女が鬼に見えた。」というコメントが楽しい。

虐げられている人は善、みたいに謳いあげるのでなく、ハーレムでこどもにかこつけてお金の無心をされ考え込んでしまう姿なども描かれ宮城さんの人間性を感じる映画だった。淀川さんが鬼と呼ぶ渾身の練習シーンも宮城さんの根気、信じる力の強さに尊敬の念を持った。

子育てで悩んでいる時、染色体異常で眠れない障害を持ったお子さんの子育てに悩みつつ、絵本の読み聞かせでコミュニケーションが図れ良い方に動いていった「クシュラの奇跡」のお話をきき、とても希望を感じた。この映画のまり子さんも、心をつなぐことで扉が開かれるという感じ、それ以外には開かれないというのを体現しておられるように思い、クシュラのことを思い出した。

 

クシュラの奇跡―140冊の絵本との日々

クシュラの奇跡―140冊の絵本との日々