神戸山さんのブログにこちらの映画のポスターが載っていて前からこの作品ちょっと気になっていたのを思い出し、借りてみた。
昭和51年唐十郎監督、唐プロダクション ATG提携作品。80年代に東京で状況劇場の公演を何度か観に行ったことがあったが、その時の空気そのままの映画。びっくりさせるような場面の切り替え、情念、こけおどし、泥沼、詩。
先日からの「ノートルダム=ド・パリ」ブーム*1で、鹿島茂氏の書いた解説本も読んでいるのだけど、「ノートルダム=ド・パリ」に出てくる泥棒や物乞いや娼婦や宿無しの巣窟である一画、「奇跡御殿」の貧民の王様クロバンは唐十郎の大好きなキャラとのこと。この映画もまさにそういう世界を描いている。
ポスターや、DVDジャケットの中央に佇むのは安藤昇。帽子を被って唐十郎風だ。彼と昔からの悪友でヤクザの親分をしているのが、宍戸錠。そこに韓国での昔の犯罪が絡み李麗仙が血の因縁。。と、ドロドロしているのだけど、派手な芝居という感じで深刻さはあまり感じない。緻密な犯罪とかでなく、大雑把で、勢いで動いているパッション強めな感じで状況劇場の祝祭的なにおいも味わう。花園神社のテントで李麗仙の出番にかけられた大向うのような声とか思い出す。