ビジュアル エクスタシー 手塚眞作品集vol 1、anan展

 

手塚眞監督の『Prelude』『Numanite』『Narakue』という組曲的連作と『Numanite』の世界観を絵コンテだけで表現したアニメーション作品『ダニエルとミランダ』、インタビュー映像などを収録したもの。

私はNumanite」(95年)という作品が特に心に残った。

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大人の絵本と呼びたくなるような映像美の連続。神話のような面白いストーリー。ナレーションは甲田益也子さん。80年代「anan」でのご活躍を思い出す。この映画をみたことで、JR京都伊勢丹でやっていたanan展にぜひともいかねばという気持ちになり、自転車で出かけたのだった。(3月のこと その後展覧会は中止。)

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「anan」、70年代創刊から80年代くらいまではとてもおしゃれでとんがっている雑誌だったのに、その後なんだか違うものに変わっていったように感じる。特に創刊頃の紙面の力の入っていること。「anan」の特設サイトの「時代を映すanan」というコーナーでそれぞれの年代の「anan」の目次がみられるのだけど、

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創刊号の澁澤龍彦の訳した「赤ずきんちゃん」の、片山健さんの絵とあいまって耽美的なこと。加納典明のグラビア、三島由紀夫のエッセイなど豪華豪華。

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この号は母親が買って家にあったものでこの表紙をよく覚えている。「ディスカバージャパン」の時代だ。四谷シモンや岸田襟子、伊丹一三など錚々たる名前が並んでいる。鈴木清順立木義浩の「萩・純情画帖」が展示してあったと思うのだが、そのクオリティの高さ。そのページだけでひとつの作品という感じだった。星占いコーナーやそのイラストなども懐かしい。

どの号か忘れたけれど、スズキコージさんのお仕事も鈴木 康司さん名義で出ていた。

アートディレクターの堀内誠一さんは「ぐるんぱのようちえん」の絵を担当されていることにも驚き。

 

ぐるんぱのようちえん

ぐるんぱのようちえん

  • 作者:西内 ミナミ
  • 発売日: 1966/12/15
  • メディア: ハードカバー
 

 とにかく、私の好きな70年代の空気はとても感じられる「anan」展であった。秋川リサさんなどの姿も懐かしい。

 

手塚さんの作品に戻ると、ふや町映画タウンのおすすめは「Numanite」の世界を絵コンテで表現した「ダニエルとミランダ」。こちらもシンプルにまとまっていて良かった。