シベリアの理髪師

 

シベリアの理髪師 [DVD]

シベリアの理髪師 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2001/07/25
  • メディア: DVD
 

みたのはvhs

ニキータ・ミハルコフ監督の作品を鑑賞したのこれで4本目*1だけど温かみと美しさ、切なさ厳しさの配合がどれも素晴しい。

若き士官学生たちが皇帝アレクサンドル3世を迎えての閲兵式の美しいこと。主人公アンドレの大切に思っているものが詰まっているし、ここが物語の基礎にもなっていると感じる。

他にも四旬節前のカーニバルの風景、秋のシベリアの風景、「シベリアの理髪師」という名前の機械の造形の面白さ、士官学校の友情、上官との結びつきなど贅沢に撮られたものを味わう楽しみがあった。

シベリアの理髪師」ってなんか語呂あわせみたいなタイトルだと公開時思っていたけれど、先ほど書いた工作機械の名前であるとともに、主人公アンドレを暗喩するものでもある。「セビリアの理髪師」が「フィガロの結婚」の姉妹作であり、理髪師は、フィガロの方にも出てきて、それが映画のストーリーとうまくからみあっていることがわかったときの感嘆!

155分の大作であるが、それだけの時の流れがあってこその大河的なうねり、最終章へのつながりがきっちりと感じられたと思う。

 

 

*1:80年代にみた「黒い瞳」、「愛の奴隷」、「ウルガ」そしてこちら