イカレたロミオに泣き虫ジュリエット

 

イカれたロミオに泣き虫ジュリエット [VHS]

イカれたロミオに泣き虫ジュリエット [VHS]

  • 発売日: 1993/07/01
  • メディア: VHS
 

 ベルリンの小さなアパートで暮らしているお互いをロミオとジュリエットと呼び合う若き二人、ロメオとユリアの物語。二人ともストリートミュージシャンで出張演奏などでなんとか生活している。ユリアは10代後半らしい。もともと「ロミオとジュリエット」ってティーンエイジャーの話だもんな・・80年代のモノクロのせいか「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のドイツの従兄弟みたいな感覚でこの映画を鑑賞した。「ラン・ローラ・ラン」や「ノッキング・オン・ヘブンズドア」等ドイツの映画でよく味わう甘ったるくないけれどえらく魅力的、という空気もすごく感じる。

ある事件に巻き込まれて、という話だけど事件の真相はスタイリッシュで簡潔な説明ゆえこういうことかな、程度にしかわからない。だけど、若い二人の様子、団子っ鼻のジュリエットと短足のロミオの自分たちでやっていくしかないじゃないかという感じがなんだかとてもほほえましく、愛すべき力があった。

ロメオの両親(多分50代)の出てくるシーンも、もう親近感でえらく楽しかった。「ロミオとジュリエット」の要素はロメオが演劇志望でセリフをいうシーンから二人がロミオとジュリエットとお互いに呼ぶようになる、ただそれだけなんだけど、そこなんかも古典台詞の神々しさも感じられたり、不思議な魅力を感じる映画だった。