美女と野獣、オルフェ、オルフェの遺言

 

  

オルフェ [DVD]

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オルフェの遺言 [DVD]

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twitterふや町映画タウンのおすすめベスト1000というハッシュタグでお話をさせてもらっていて、その中でとても薦められた作品群。ジャン・コクトーというとまず絵画が浮かぶ感じで、以前みた監督作品「恐るべき子供たち*1や原作がコクトーの「恐るべき親たち」*2などの作品ではなんか怜悧だったり冷笑的だったりする印象を持っていたのだけど、今回観た三作品はロマンチックで愛の尊さを謳ったものだった。。そして振り返ると、「恐るべき子供たち」でも博愛主義とは反対の本当に愛する人を峻別する感じがあって、それは「オルフェ」でも共通な気もする。安易なハッピーエンドに慣れた人間には冷たさを湛えているようにみえる「オルフェ」もとても愛の真実と色々な形を伝えている。「オルフェの遺言」は、「オルフェ」の続編。「オルフェ」の方は話だけ追っていけばある程度ついていけたが、「オルフェの遺言」は、もっと元のギリシャ悲劇のことを知っていた方が理解が深まるのだろうなと切に思った。

美女と野獣」は、とても楽しくみられる。野獣の造形も「スター・ウォーズ」のチューバッカのようでちょっとかわいらしくみえてしまい、その高潔な心とともに、はじめから全面的に応援してしまった。途中にヒロイン、ベルに対し、「動物をなぜるようななぜ方をしている」というセリフがあるのだが、確かに、私もそんな視点でみているかも、とハッとさせられた。

基本的には自分の日常に近いような素材の映画を好んでみている私だけど、路地裏散歩ばかりでなく、国宝級のものに触れるのも楽しいなという気持ちにさせられた。

「オルフェの遺言」には親交があったらしいピカソなども出てくる。「オルフェ」も「オルフェの遺言」もコクトーの生きた時代を映しているように感じる。詩人の集まり、ラジオの言葉から天啓を受ける(このシーンなんだか好きだった)、みたいなところもコクトーの生活を感じさせる。