UN loved

 

UN loved [VHS]

UN loved [VHS]

 

 ふや町映画タウンのHPの在庫監督一覧をみていて、これはどなた?となって気になった万田邦敏監督。監督別のページをみにいくと、この映画はオープン当初は在庫がなく、後から買い足された一覧に入っており、わざわざ買われた感じがとてもしたもので、調べたら2001年カンヌ国際映画祭批評家週間招待作品 レイル・ドール賞&エキュメニック新人賞W受賞作品とされており、しかも円盤にはなっていない様子。これはふや町映画タウン健在のうちにみておかねばとなった。

市役所に勤める森口瑤子さん演じる光子は仕事ができるけれど、出世欲なし。自分が本当に求めることを追求した人生を送りたいと思っている。仕事で出会うアッパーな感じの仲村トオル演じる起業家勝野に思われるが・・というストーリー。勝野タイプへの違和感が表してあるところ、とても響いた。勝野とは対照の、もしかして世間的にはダメンズといわれてしまうかもな松岡俊介演じる下野という男とのかかわりもそのあと出てくるが、この辺りもとても身近な感触。三人の舞台劇のように会話が進み、光子のまっすぐさに嘘はないのだけど、嘘がないゆえのしんどさまで表現され・・なかなか秀逸であった。光子ほどシンプルに心のうちを外に出す人、西洋型社会で生きてきた人などには見受けられるけれど、どっぷり日本社会の中ではちょっと浮きもする。でも、その心持ちというのは突飛なものではなく、納得がいく。表現の仕方は、こんないいかたをしたらどうなんだろう・・という気持ちにはなるが・・とにかく直球で人生の選択や他者との共生ということを考えさせてくれるおもしろい映画だった。

見終わった後、万田監督は小池栄子主演の「接吻」*1という映画の監督さんだったことに気が付く。あちらも、死刑囚と交際を求める女性の物語。息もつかせずみさせる映画だったなあ。。