チャイナ・シャドー

 

チャイナ・シャドー [VHS]

チャイナ・シャドー [VHS]

 

 「ラストエンペラー*1、「モダーンズ」*2ジョン・ローンの魅力に触れてきてこちらにたどり着いた。戦争中の日本、紅衛兵、香港における英国と中国など今日につながるテーマもしっかり抱えているこの映画、日本人記者の佐藤浩市のふるまいがジョン・ローンの運命にはからずも影響を与えてしまうのだけど、実際一般的な日本人の香港への意識の持ちようってこの中の佐藤浩市みたいな感じだろうなととても感じる。

ジョン・ローンの演じていたのは香港で財をなした男だけど、そのよりどころのなさみたいな空漠感、これは東村アキコが「海月姫」で描こうとして少し尻つぼみだったシンガポールの若きファッション仕掛け人や、まだみてはいないけれど、「華麗なるギャツビー」的な心性なのではないか、そしてその空っぽ感が人を大いにひきつけるのではないかなと思う。