最前線物語

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戦争ものってみるのに気合いがいるけど、いやな盛り上げゼロで、粛々と緩急もうまくつけながらの展開、とても良かった。つまらない逡巡などしていたらすぐ命がなくなる世界。その中で、変な悲壮感なしに、個として生きている感じがする兵士たち。ぎりぎりの中でもユーモアもあるし、そこに魅力を感じる。

つまらない温情をかけたら隊全体が危うくなる。それをコントロールする立場を黙々と遂行する軍曹リー・マーヴィンのいぶし銀の魅力。まずはとんでもない心の傷が彼のスタートにあり、それに耐えながら目の前のことを片付けている姿が魅力的。そのひっかかりを生かした脚本が冴えている。リー・マーヴィン、以前みた「キャット・バルー」*1でもユニークな渋おじを演じていたなあ。戦場で彼が遭遇する少年や少女、民間人との短いが印象的な交流(短いところがまたとてもいい、人生は流れゆくものという感じで)、鉄兜の花と一緒に忘れられないものになりそうだ。

最前線物語 [VHS]

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